タイミングをとることは幸せなこと
妊活を始めて、一番最初に夫と喧嘩したことは「排卵日だから」という理由ができたことでした。今まで自然に行っていたことを、子供のためという理由ができてどこか義務的になりました。その頃は夫に妊活のことを詳しく話したことはなかったので、重要性が分からなかったのもあると思います。「自然にしたい。この日が、とか話になるとなんか違う」と。その時私は「でもここでしなきゃできないから」と彼の気持ちに寄り添うこともせずただアプリの卵マークを見つめていました。夫はすごく優しい人で、結局はタイミングをとってはくれていました。しかし、そんな無理をさせても私たちに子供ができることはなく、時間だけが過ぎていました。
ある日生理痛がひどく婦人科に行ったときに風疹の値が低いことを指摘され予防接種を受けることになりました。その際夫も採血を受けるよう勧められ、夫を婦人科へ連れて行きました。そのクリニックは分娩を取り扱わない産婦人科で、患者さんは女性ばかりで付き添いの男性はあまり見かけませんでした。その中夫を連れていき、女性に囲まれた待合室で座らせ、採血を受けさせました。その時に気まずそうにしている夫を見てはっとしました。私は子供がほしい気持ちが先立って、夫の気持ちを完全に無視して傷つけていたのかもしれない。子供がほしいというより、大好きな夫との子供をこの世に残したいと思ったのに。タイミングだって、期日を決めることに抵抗があるなら、もっと自然に誘うことだってできたはずなのに。周りが見えなくなっていた自分に気づき、夫へ申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
今では夫は沢山勉強してくれ、知識がついたために自分から「今月は排卵日いつ?」と聞いてくれるようになりました。私たち夫婦は互いに交代勤務なので、いくら排卵日がわかっていようとタイミングがとれるとも限らず、月によっては勤務上うまくいかない日もあります。でも、妊活を始めた頃よりタイミングのことで喧嘩することは減ったし、愛があるから行為があることに変わりはないのです。何より妊活は自分とパートナー二人で行うものだから、一緒に勉強して一方だけがストレスにならないように常に足並みをそろえていく必要がありますよね。そうは言っても、まだまだ夫に頼りっぱなしで、私に合わせてもらうことが多いのでもう少し心に余裕をもちたいところです。妊活云々の前に、この世で一番大切なのは夫で、もし子供が一生できなくても夫とさえ一緒にいられれば幸せだと気付いた時、肩にどっしり乗っかっていた妊活が少し楽になったような気がしました。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。